2019年9月22日日曜日

革サドルの修理

じて吉店長からブルベライダーのTさんから「ダメ元でこのサドルを修理して欲しい」と預かったのが6月末頃。忙しくてしばらく忘れてました。バキッ!!☆/(x_x)
ブルベライダー御用達な革サドル、RivetのDiabloってやつです。
テンションを掛けるための金具の先端が割れて欠落しています。「これは不良品じゃないの?」普通、この箇所がこんな割れ方しないでしょ?材料欠陥があったか、またはキズが入っていて繰り返し荷重で割れが進行して破断に至ったか。
これを修理する上で問題となるのが3つ。
ひとつは革と一体になったままでは溶接できない。2つ目はそのために鋲(リベット)を外さないといけない。3つ目は再び鋲打ちをしないといけない。
溶接補修に関しては真利子さんならなんとかしてくれるだろうという甘い思いが。(^^;
問題は3つ目の鋲打ち。上面の1つはいいんだけど、側面の2本は打ちようが無い。内側に挟み込んで左右の両方に使える打ち具を作って、さらに真鍮丸棒から削り出して中空の鋲を作らないと無理っぽい。
まぁ、なんとかなるだろうと見込み発車。(笑)

まずは鋲を外します。最初は上からドリルで揉んでみたけどセンターが出ないので結局リューターで裏側のカエシを削り取る事に。
外してみたらこの鋲はSUSでした。
取り外した金物がこれ。板厚は2mmもあるのになんでこんな壊れ方するかなぁ?
こちらは真利子さんに託します。

欠落した部分を旋盤で丸棒から削り出します。
それを金物の先端部へ溶接取付。
金物の修復は完成。写真では腐食防止にローバル(亜鉛メッキ)を吹いてあります。

さて、問題の革サドル本体への取付方法。
市販されているレザークラフトで使うカシメる金具には適当なものが無く、今回は組ネジを使う事に決定。これが組ネジ。この写真に2種類あります。軸の外径がφ4.5と4mm。
側面に付く2本は内側に飛び出す部分の厚さを最小限に抑える必要があるので、組ネジのオスではなく超低頭ねじを使います。本とは全て太いφ4.5を使いたかったのですが、それのネジ径がM3.5という普通じゃないサイズ。仕方ないので側面はM3ネジのφ4をチョイス。

写真で見えるように頭側は円筒形状なので、これは削って成形します。




これで組み立てて完成。



ねじ部に力が掛からないように、完全に締め切るためにボスの長さはペーパーで0.5mmほど削ってジャストサイズにしてあります。ボス部の径ならば剪断力には十分持つと思うけど、問題は曲げ。斜めの力が掛からないようにねじ頭の小さなものを使っていますが、斜めの力がねじ部に曲げ方向で作用してしまうとM3ではちと心持たない。
ちょっと使ってもらって様子見るしかないかな?(^^;
















2 件のコメント:

  1. これまた、さすが暗黒技研と言うか、さすがitaさん・yoshiko2さんと言うか、
    サラっと「まぁ、なんとかなるだろうと見込み発車」なんて書いておられますが、
    目処無しでやれるはずもなく。修復後の美麗な姿に拍手ですわ。
    しかしそれにしても、サドルのこの部分がこのように破断するケースは、
    自転車歴長いですけど初めて見たように思います。
    革サドルを長いこと使ったこともありますが、こんなん見たことない…

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  2. >ゆっきょさん
    さすがにこれは無いですよね。100%不良品です。
    メーカーがメールの返事すら寄越さないってどうなのよ、と。
    自分のサドルなら「SNSでぶちまけるぞ!」って脅しを、もとい通告をいたしますが。(^^;
    真利子さんと私の修復コラボレーションってとこですかね。(^^)v

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